衛生士のための口腔ケアのセミナー

高知学園短期大学にて

7月2日に歯科衛生士2名で高知学園短期大学に弘田克彦教授による「口腔ケアに役立つ最新知見」という講演を聞きにいきました。
口腔ケアにより肺炎

感染症心内膜炎

インプラント周囲炎

 などの病気を予防することができます。
今回の講演は細菌学的解剖学的な視点から講演されていました。
口腔内には様々な細菌がいることによって健康を守っています。細菌が過剰に増えると炎症が起り、少なくなると内因性の感染症にかかることもあります。細菌叢が乱れると炎症が起きます。上手く付き合い生きていくことが大切だそうです。
日本人の死因で多い疾患が 癌 虚血性心疾患 脳血管疾患についで肺炎気管支炎があります。肺炎 気管支炎の死亡の9割が65歳以上の高齢者です。
肺炎の中でも誤嚥性肺炎が多いです。脳血管障害が危険因子としてあることも多いことに関連していると言われています。喉頭蓋のタイミング異常を治すことができません。
口腔内ケアを行い、口腔 咽頭細菌叢を良くすることで誤嚥性肺炎を防ぐことができます。

弘田教授は咽頭細菌叢の数値を測定し口腔ケアにより1/10細菌が減り肺炎が減少する裏付けを示したそうです。2ヶ月持続するとレンサ球菌 ブドウ球菌はほとんどいなります。誤嚥性肺炎が重症化し易い特徴は総細菌数が過剰で正常時と比べると10倍以上ある時です。たとえ誤嚥しても肺炎をおこさないように咽頭細菌叢を正常化し誤嚥性肺炎の起炎菌を減少させておくことが重要です。
また細菌から生体防御のためにベジクルという細菌のDNA情報が含まれる膜構造を有する小胞を作ります。多くなりすぎると害になります。このベジクルが癌を起こすといわれています。今このベジクルを採取して癌に対するワクチンを作る研究が進んでいます。
そしてこのベジクルには抗菌薬が効きません。やはり口腔ケアが大切ということになります。
また口腔内の膿瘍から肝臓や小脳に膿瘍ができるケースや歯周病から感染性心内膜炎が起きることも言われています。口腔内に炎症があり続けることで様々な疾病をおこしてしまう可能性があります。
お口の中で気になることがある方はお近くの歯医者に受診することをおすすめします。
また2025年までは65歳以上が5人に1人になり増え続けます。
平成25年全国の高齢化率を調べると高知県は31.1パーセント2位でした。
今後いの町でもさらに高齢者が多くなるので健康で歯科医院に通っているうちにから様々な疾病予防につながる口腔ケアの大切さを私達が診療を通して伝えていきたいと思いました。